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社長ブログ

なぜディープテックを扱うBiz Freakが、NoCodeCampを統合したのか?

1. よく聞かれる質問:ノーコード派かコード派か?

ChatGPTにて作成

「あなたの会社はノーコードの会社ですか?それとも、コードを書いて開発する会社ですか?」

 この問いは、なぜかよく聞かれる。しかし、私の答えはいつも同じだ。

「必要なときに、必要な方法を選択する。」

このシンプルな原則こそ、Biz Freakの開発スタンスである。

2. なぜこの問いが生まれるのか?

コードを書ける人はノーコードを軽視しがちで、逆にノーコードしか使えない人も、たくさんいる。だから、どっち派なのか、区分けを求められるのだろう。

 だが、私たちがやっていることの本質は「計算機との対話」であり、そこに形式の優劣は存在しない。

目的を果たすために、最適な手段を選び、使いこなすことが重要なのだ。

3. Biz FreakがNoCodeCampを買収した理由

そんな私たちが、なぜ日本最大級のノーコードコミュニティ「NoCodeCamp」を買収したのか? その背景を、ここで説明したい。

 前提として、私たちは基本的に「コードを書く」会社である。

AIアルゴリズムのチューニング、エッジデバイスの活用など、非常にハイレベルな開発を日常的に行っている。 大企業の様々な新規事業の開発を行っているので、最先端の技術相談など、ざらである。その中では、英語ベースでWeb検索しても出てこないようなPoCが必要な領域も、多分に含まれる。

それでも、NoCodeCampをBiz Freakに統合した理由がある。

4. これからの時代の「エンジニア」とは?

アメリカでは、「今エンジニアが行っているうちの98%の作業が消滅する」という予測が出ている。

それもそのはずだ。

これまでソフトウェア開発は、完全にAIに取って代わられることはないと言われてきた。なぜなら、大規模言語モデルは大量の文章から言葉のつながりを計算し、人間らしい文章を生成するベクトルのチューニングマシンに過ぎないからだ。つまり、過去に情報がない新規事業開発や個別カスタマイズ性が高いDXを、過去情報の近似値だけで完璧に生成するのは難しいと考えられていた。

確かにその通りだ。ありふれた機能やデザインだけで構成されたeコマースサイトを求めるケースは極めて稀である。人はまだ存在しない何かを作るために開発を行う。そのため、限られた情報を元にしたAIの出力には必ず調整が必要で、その調整とは結局コードを書く作業になる。したがって、現時点でエンジニアの需要がなくなることはない。

しかし、要件を詳細にブレイクダウンし、モジュールや関数単位で明確に定義できている場合はどうだろうか。このような場合、AIの出力誤差は現時点でもかなり抑えられる。バックエンドの処理は結局のところ、情報取得、演算、代入、分岐、ループという単純な処理の組み合わせだからだ。

新規事業であっても細かく分割すると、バックエンドの処理は単純なモジュールの組み合わせになる。実際、弊社では処理機能のコードを手で書くことはなく、プロンプトチューニングや最小限のコード修正だけを行っている。SQLクエリも同様だ。(※もしまだ手作業でコードを書いている人がいるなら、周囲に聞くか学ぶかして解決しないと、長期間弊社にいることは難しいだろう。)

フロントエンド(デザイン)も同様だ。AIがデザイン画像をHTMLやCSSに変換するツールがすでに多数存在する。あとは、これらを処理機能とうまく統合できれば、プロダクトは完成する。

5. Biz Freakの開発スタイル

私たちは「コードを書く会社」であるにもかかわらず、実際にはほとんど手でコードを書かない。

私たちが行っているのは、以下のような作業だ。

  • プロンプトチューニング
  • 最小限のコード修正
  • AIによるSQL生成やHTML/CSSへの変換
  • aPaaSを活用したビジュアルプログラミングによるサービス開発

こうしたディレクション・チューニング作業を、社内では「コードレス開発」と呼んでいる。

AIが生成したコードをそのまま使うだけでは、「バクソク」(爆速)には繋がらない。生成されたコードはローコードツールなどを含むaPaaS上で最適に統合されることで、初めて安定した稼働環境と迅速な改修・改善が可能になる。

まず、ここにおいて、ローコードツールが必要になってくる。弊社では完全なノーコードツールは扱わず、ローコードツール(コーディングも可能な、ハイブリッドなツール。例えばBubble・Flutterflowなど)をこのaPaaSとして扱うのだが、いずれにしても、統合時・運用時に一部NoCodeCampが育成しているようなスキルセットのエンジニアが必要になるのだ。

また、NoCodeCampにいるエンジニアが、コードも活用できるようになり、令和時代でバリューを発揮できるようになるためには、弊社の「バクソク コードレス開発」フレームワークが最適だとも考えている。

さらに、新規事業が目指すKGI(重要目標達成指標)をクリアするためには、ただ、開発・改修を爆速でするだけでなく、ユーザーフローを明確に可視化し、具体的な改善点を即座に示してゴールへと導く必要がある。

これらを実現できてこそ、本当の意味での「バクソク」が達成されるのだ。

Biz Freakは、これらを強みとして事業成長にコミットしている。

Napkin.aiにて作成

事業を理解できず、人と会話ができないエンジニアは弊社には不要である。事業への深い理解を持ち、ソフトウェア開発にとどまらない真のボトルネックまで踏み込んで解決できる存在。それが私たちBiz Freakが目指すエンジニア像だ。

これを、新しい時代の幕開けと言う人もいるかもしれない。 だが、実際にはそうではない。あなたが仕事をしていると思っているその仕事は、ほとんどコンピュータやスマホによって行われていて、あなたは操作しているに過ぎない。これからのソフトウェア開発も、単純にその延長線上にあるだけなのだ。AIを使って開発をする。その操作を人間がすれば良い。

6. それでも「エンジニア」は必要である

こうした背景を踏まえれば、私は「エンジニアの作業はなくなる」という意見には賛成だ。しかし、「エンジニアそのものが不要になる」という意見には明確に反対する。

なぜなら、AIが構築したシステムは、時としてブラックボックスになりやすいからだ。

  • AIの出力が意図通りでないとき
  • ピボットによって仕様が急激に変更されるとき
  • 納期が迫った際の緊急対応が求められるとき

こういった状況では、最終的に責任を持って対応し、調整を行う人間が必要となる。

Biz Freakは、経営視点からプロダクトの最終責任を担うエンジニアを育成し、新規事業のCTOを輩出していくことを目指している。その役割を私たち自身や、私たちが育てたエンジニアに任せてもらいたいと考えている。

9. 新しいエンジニアへの道

さて、少し話は逸れるが、今度はエンジニアのキャリアに立って、少し考えてみよう。

今の時代でソフトウェア開発ができるエンジニアになりたい!と考える方の最適な学習プロセスはどのようなものだろうか。

ここにおいても、実はローコードツールは真価を発揮する。

エンジニアになりたい人たちが、従来のように、HTMLとCSSを学習したのち、PHPでも勉強して、問い合わせフォームを半年かけて作ることが、今の時代に本当に必要か?

NOである。

それが正なのであれば、なんなら機械語やアセンブリ言語まで遡った方がよいかもしれない。確かに、いまだに学校等の教育でC言語から学ぶ場合もある。それはそれで否定しない。それは、企業の即戦力になるというよりも、コンピュータを理解する、つまり計算機との対話の学習に重きが置かれているからだ。

しかし、あなたたちは、エンジニアを生業として、企業の即戦力になりたいのではないだろうか。その場合、従来のプロセスでは、時間がかかりすぎる割に、そこに本質がないのだ。実際に、ちょっとした問い合わせフォームやログインフォームがつくれたところで、企業でそれがいくらのバリューになるのか?考えて欲しい。そこから自分の給料に割り当てると、果たしてどうだろうか。

先ほど少し触れたように、プログラムの学習とは、計算機との対話の練習に過ぎない。それが、機械語であろうが、C言語だろうが、RubyでもPythonでも、そして同様に、ローコードツールであっても、だ。

ここにおいて、僕がノーコードツールではなく「ローコードツール」と書いていることにも、理由がある。

例えば、ローコードツールの「Bubble」から、プログラムの学習を始めると、学習難易度が低いうちに、あっという間にWebアプリケーションが完成する。それはたった数日の間に、フロントエンド開発・バックエンド開発・サーバー等のセットアップ・DNSによるドメイン連携などの一連の作業を、薄く、網羅的に体験するプロセスに等しいのだ。

大凡、全体の流れを理解した上で、徐々に「ツールだけでは実現できない問題」に直面することになる。そのときに、はじめて、JavaScriptを、ChatGPTで作ってみたら良い。エラーを吐いたら、GPTに考えさせよう。うまく動いたところで、なぜうまく動いたのかを、GPTに聞いたら良い。そのあとで、生成されたコードを読んでみよう。「プログラムには、代入と演算と分岐とループしかない」ということを覚えておきながら。

次に、今後はAIを活用したプロダクトを作ってみよう。「Dify」を叩き、「Bubble」に繋いでみる。それに慣れてきて、「Dify」で対応できなくなったら、その部分をPythonで実行できるように、ChatGPTで作ってみよう。同じように、GPTに教えてもらいながら。

そして、徐々にプログラムに慣れてきたところで、他の言語を学ぶなり、ローコードツールから脱皮すれば良い。その時にはすでに、様々なものを開発できている状態で。

どうだろうか。

このプロセスの方が、圧倒的に早く即戦力になれる気がしないだろうか。

余った時間は、ビジネスモデルの理解など、ビジネス力に時間を注ごう。テクノロジーと、ビジネスの双方を学ぶことが、新規事業におけるエンジニアには必要だ。そしてそれは、個人事業主エンジニアになりたい方にも、スタートアップで優秀なエンジニアになりたい方にも必要であり、ビジネス起点・経営者起点でエンジニアリングを考えることこそ、本質なのだ。そうして、新規事業におけるCTO人材を輩出していくのがこれからの僕たちの活動である。

8. 日本型アジャイル開発を再定義するBiz Freakの挑戦

さて、話は戻るが、本来、アジャイル開発とは「阿吽の呼吸」が求められる手法であり、日本の製造業の思想をベースに発展してきたものである。だからこそ、日本人には本質的に適している。

Biz Freakの使命は、この日本的特性を最大限に活かし、AIとローコードツールなどのaPaaSを適宜選択し、融合して、日本発の新しいアジャイル開発スタイルを再定義することだ。

AIを駆使して開発速度を極限まで高め、aPaaS活用によって現場から生まれるアイデアを即座に実現可能なプロダクトへと昇華していく。そうすることでイノベーションの壁を取り払い、日本を再び世界最高のイノベーション大国へと導く。

これが、私たちBiz Freakの使命である。

leonardo.aiにて作成
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