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社長ブログ

ChatGPTについて

※注意 この記事はChatGPTではなく、本人が書いたものです。

こんな、注意文が当たり前のように使われる日が遂に来たのだ。

もしかしたら、本当に自分の脳みそだけで記事を書くのは、これが最後になるかもしれないので、なんとなく記録に残しておきたくなった。

今日、OpenAIがGPT-4をリリースした。リリースされたGPT-4は日本語においても、全世界に衝撃を与えたGPT-3.5(の英語版)より、優れているという。

国境がなくなった日といっても過言ではない、と僕は思っている。それくらいインパクトのあるニュースだった。

OpenAIは、2015年に、イーロン・マスク(説明不要だろう)やサム・アルトマン(現OpenAI CEO。スタンフォード大学を中退し、19歳にてLoopt※ を創業、2005年のYC夏学期プログラムへ参加し、2014年にYCの代表)などから、10億ドルを集め、作られた。
※LooptはGPSの位置情報を利用して友人の位置と現在の状況(通話可能、取り込み中 など)を地図上とリスト形式で表示することができるサービス。Looptは2012年にグリーンドット銀行へ買収された。

その圧倒的な資金力の下、Stripeで技術担当だったグレッグ・ブロークマン、AIの先駆者ジェフリー・ヒントン博士(ニューラルネットワークで著名)に師事したイリヤ・サツケバーなど、錚々たるメンバーが名を連ねた。

当時(といっても8年前の出来事だが)の、AIの巨匠といえば、Googleが2014年に買収したディープマインド社だった(AlphaGo:アルファ碁で有名)。
そのディープマインドに対し(はっきりと名指しはしていないが)、OpenAIは「自身の好奇心に集中して良い結果を優先できる一流の研究機関が存在することが重要です」と声明で述べている。

つまり、ディープマインドのような他の研究所は商業的利益の制約を受けているため、人類のために活動できない。その一方で、OpenAIは、非営利研究機関であり、短期的な経済的利益に焦点が当てられた研究環境とは異なる。と言っているのだ。

当然、優秀且つ世界を変えたいと思うエンジニアは、こういった組織に集まる。外圧が少なく、(OpenAIの思想の通り)好奇心に集中して、良い結果を優先することができるからだ。

これは、短期的にも投資家の目を意識する必要がある上場企業では成り立たず、逆に自由なベンチャーでは資金ショートを起こす可能性があるため、また、成り立たないビジネスモデルなのだ。ここに目をつけたイーロン・マスクやサム・アルトマンは、非常に戦略的だったのだろう。(2019年にイーロン・マスクは意見の相違があったとして手を引いているが)

いずれにしても、この資本政策と立ち上げ戦略こそが、後に世界的イノベーションを起こす源泉となったのだ。理由は後ほど説明する。

で、話は、今日に戻る。

時を同じくして、GoogleもChatGPTの競合にあたるBardを発表した。

ただ、これは発表せざるをえなかった、つまり、無理やり引きずり出されたような形となった、と思っている。

というのも、おそらく、Googleは数年前からこうした技術を保有していたのだろう。そうでなければ、ChatGPTがリリースされてからのスピードが早すぎる。更にOpenAIには、Google出身のエンジニアが数多くいることからも、やはりGoogleではこのような技術は元々持っていたことが推察される。

ただ、例えばChatGPTでも指摘されている通り、こういった生成系AIは、「嘘をつく」・「倫理的ではない回答をする」などの問題を持っており、レピュテーションリスクに慎重な投資家の圧からGoogleは、このような技術を一般公開することに対してはどうしても慎重な姿勢とならざるをえなかった。

ChatGPTやBardのような生成系AIがはらむこのような問題は、そもそも学習方法(今回はアルゴリズムや学習方法の細かい説明は割愛するが、シンプルにいえば、それっぽい文をAIが作った後、人が評価することで更に学習する方法)から、解決するには相応の時間を要することが分かる。

つまり、OpenAIは、”より多くの学習の機会とフィードバックを与えられるかどうか”という、至極当然なAI競争に、”非営利研究機関として問題をはらむAIを一般公開する”という、これまた至極シンプルな方法によって、勝ったのだ。

短期的な経済的利益に左右され商業的利潤を第一目的とする株式会社ではなく、商業的利益の制約を受けない非営利研究機関としてこそ、とれた打ち手である。まさに「OpenAI」なのだ。

Googleは、そこにただ追従すれば良い、という話ではない。このような破壊的イノベーションで、技術の第一想起を取るというのは、マーケティング面において、まさに最強なのである。どれだけのマーケティングコストを計上すれば、ChatGPTより有名になれるか。想像するだけでも理解頂けるだろう。

ちなみに、少し話が逸れるが、「GoogleのBardはそもそも精度が微妙だ」という意見が散見される(日本ではこれからだが)が、これはGoogleなりの「あえての解」だと思っており、これはこれで面白いと思う。というのも、生成系AIは、回答を生成する際にかなりの計算コストを必要とする。流石のOpenAIのChatGPTも、リリース時に1ユーザー当たりの使用回数を制限していたのは、これが理由だ。今でも、ChatGPTを体験するまで一定の時間的コストが必要(カスタマージャーニー上最適化できない)なのも、これが原因である。ということは、そこに追いつくためには、使用数(つまり学習回数)で上回ることが重要であり、そのためには計算コストを下げなければならない。
よってGoogleが取った戦略が、「学習パラメータの数を敢えて大きく絞る」だ。OpenAIのGPT-4ではそのパラメータ数が数兆個と言われている。Bardの公表はないが、おそらく数十億程度ではないだろうか。学習パラメータ数を落とすことで計算コストを下げ、制限を設けないことで、とにかく学習させて追従するという、目先の勝利は捨て長期的にアップセットを起こす戦略だ(と、勝手に僕は思っている)。
※上記は私の個人的な推察にすぎないので正しい情報を参照してほしい。

話は逸れたが、いずれにしても、OpenAIはOpenAI的な思想で第一想起を取り、世界をひっくり返した。そしてGPT-4では、先に触れたように、遂に言語の壁を超えてきたのだ。

これまで、日本のベンチャーは(というか、弊社でもそうなので多分そうだろう、という推測にすぎないが)、「技術を掘るときには英語で検索せよ」と何度も言ってきた。技術的に進んでいるのはGAFAを始めとする海外のテック企業であり、その公式ドキュメントやリリースにキャッチアップするためには、日本語に翻訳されたり、日本で流行るのを待つな、という意味である。

逆にいえば、ソフトウェア業界においても、海外の企業が日本でサービスを広げるためには相応の時間を要していた、ということでもある。

日本は独自言語や独自な価値観(しかし均一な価値観)を持つ島国であり、海外からすると「そこそこ美味しい市場だが参入障壁がそこそこ高い」国だったのである。よって国内からすると、テクノロジーにおいて世界から多少遅れていようが、日本は、「日本人が解釈をしながら、少しずつ技術を取り込んでいく国」で、それはそれで、よかったのだ。

例えば、ChatGPTにおいても、「結局、日本のビジネスに浸透するためには、日本人の手によって、日本的な解釈をして、日本のビジネスに合うように変えなければならない技術であり、日本人の介在価値は落ちない」というのが日本のテック企業の大方の意見だっただろう。僕もその一人だった。

しかし、GPT-4を受けて、おそらく、そんなものは時間が解決してしまう、ということが全日本人に(も)、明示されたのだ。これからはどこに自社の存在価値を見出すのかが問われる、非常に重要な局面となった。

「日本人が読みやすいように、日本人的なブログを書いて。」

例えば、これで終わってしまうのだ。これまではどんなに英語ベースでイノベーションが起きたとしても、

“その技術+翻訳する技術(など何かしらのローカライズ)=日本に浸透”

という構図だったが、そのまま使用できる技術は、その名の通り、オープンに使用され、そのまま国境を超えてくる。人を介さずに、事業主まで直接そのバリューが発揮できてしまうのだ。

これが一体、何を意味するのか。
ここから先は個人的解釈が多くなり、私のような稚拙な文章を書く凡人が公の場で披露するものでもないだろう、ということで、本ブログを終わりとする。

ただし、ここから先が、テクノロジー戦争の第二幕であり、これらの技術をどう活かしてバリューを発揮すべきなのか、ここに全ての知を向けるべきなのだろう。

まだ、日本が戦う市場はある。むしろ、これからが面白いところだ。

テクノロジーに疎く意思決定の遅い企業は、大きさを問わず、今すぐにベンチャーを買うか創るか事業提携をすべきだろう。ベンチャーはInvention(インベンション)からInnovation(イノベーション)へ、つまり、事業に向き合うべきだろう。双方から、事業創造においてリスクテイクできる体制の構築をまずは行っていくべきである。

テクノロジーとビジネスの総力戦で、今度は日本が勝つために。土壌となるテクノロジーの動向に目を張りつつ、少し先の未来を予測して先取りをしていく。ビジネスに取り入れるための行動とリスクテイクを、いかに多く大きくやれるか。

僕も、そんな改革の一要因となれるように、日々、尽力していく次第である。

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