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AI(人工知能)

LLM API 早わかりガイド 〜GPT-4.1 / Claude 3.7 Sonnet / Gemini 2.5 Proを用途別に選ぶコツ〜

生成 AI の進化速度は “ネット黎明期” 並みに速く、LLM を API連携させることを考えた場合、2025年5月現在は GPT-4.1・Claude 3.7 Sonnet・Gemini 2.5 Pro の3モデルが「まず検討したい定番」です。

今日は「どの LLM をどんな用途で使えばいいか」に焦点を当て、API でできることを早見表で整理し、「用途別機能比較」、利用料金や精度の「LLM 横断比較」、「各用途に最適なモデル」についてお届けしていきます。

目次

  • 用途別・モデル別ざっくり早見表
  • コストと精度を横断チェック
  • 各用途に最適なモデルまとめ
  • まとめ

用途別・モデル別ざっくり早見表

主要な大規模言語モデル(LLM)であるGPT-4.1(OpenAI) Claude 3.7 Sonnet (Anthropic)Gemini2.5 Pro(Google) について、代表的な用途ごとに何ができるか、強み・注意点を比較していきます。

用途別機能比較表

GPT-4.1 (OpenAI)

Claude 3.7 Sonnet (Anthropic)

Gemini 2.5 Pro  (Google)

文章生成
(テキストコンテンツ作成)

自然な文体や一貫したトーンでの長文生成が得意で、詳細な指示やスタイルにも柔軟に対応可能。
利用例が豊富で、ブログやマーケティング資料の作成などにも幅広く使われている。

ユーザーの意図を汲み取り、丁寧で誤解の少ない文章が得意。
語調やセンシティブな話題にも配慮でき、段階的な思考で長文でも質を保ちやすい。
不適切な表現を避ける設計も強み。

マルチモーダルの強みである画像やトレンド情報を活かした説得力のある文章が得意。
豊富な知識と論理力で長文や専門分野にも強く、マーケティングからクリエイティブまで幅広く対応可能。

コード生成
(プログラミング補助)

指示通りのコードやコメント生成が得意で、社内規約に合わせやすく、既存コードの解説やリファクタも得意。
幅広い言語に対応し、UIの一貫性やアルゴリズム実装・バグ修正も安定して行える。

段階的な「思考モード」で複雑なプログラムも分解し、バグの少ないコードを書くことができ、細かなデバッグでもエラーの場所や理由もはっきり伝えてくれる。
また、大規模な開発現場でも自動修正や補完が頼りになる。

難しいプログラミング問題や高度なアルゴリズムもこなせ、数学やロジック系の課題にも強く、複雑なコードも一度の指示で動く形に仕上がりやすい。
開発効率を大きく上げた事例もあり、デザイン画像からコードを自動生成する機能も。

画像生成
(ビジュアルコンテンツ作成)

GPT-4.1単体では画像生成はできず、出力はテキストのみ。
画像そのものを作る場合はDALL·E 3やGPT-Image-1など、別の画像生成APIと組み合わせて使う形になる。

画像の入力や出力には未対応のため、画像を作りたい場合はStable Diffusion APIなど、別のサービスと組み合わせて使う必要あり。
今後対応の予定はあるものの、現時点ではビジュアル作成には向いていない。

テキストや画像、音声など多様な入力に対応し、画像の内容理解や説明が得意だが、画像生成はできない。
画像を生成したい場合はImagen 3などの別のAIとの併用が前提となる。

会話ボット
(チャット対話AI)

人間らしい自然な会話が得意で、雑談から専門的なQ&Aまで幅広く対応でき、ユーザーの意図もくみ取りやすく、会話のスタイル調整も柔軟に対応可能。
長い対話も文脈を保ったまま続けられ、安全性も高いので安心感がある。

丁寧で親身な受け答えが得意で、サポート用途にも向いている。
長い会話でも文脈をしっかり保てるので複雑な相談にも強く、質問が複雑でも順を追って考え、不適切な内容を避ける設計になっている。

画像や音声もやりとりできるマルチモーダル対応が特徴。
Google検索やカレンダーとも連携しやすく、最新情報を反映した回答もでき、複雑な質問にも筋道立てて答えられ、ビジネスから専門相談まで幅広く活躍。

データ要約
(文書要約・分析)

長文の記事やレポートも手早く要点をまとめられるのが強み。
箇条書きやフォーマット指定など出力も細かく調整可能で
、大量の文書でも一度に要約でき、文脈を踏まえたわかりやすいまとめを得意とする。

複雑な内容もきちんと意味を保って要約でき、文章のトーンやニュアンスもくみ取り、読みやすくまとめてくれる。
推論力も高いため、レポートの洞察抽出などデータ分析にも強く、少ない情報からでも的確に要点をまとめやすい。

圧倒的な長文処理力で、大量の資料や複数のドキュメントもまとめて要約できる。
論理や数学にも強く専門的なレポートや論文の要点抽出も得意で、多言語データにも対応するため、異なる言語が混ざった情報の要約や比較もできる。

翻訳
(言語間の自動翻訳)

多言語に対応し、英語と日本語など主要な言語はほぼ違和感なく訳すことができ、専門文書まで幅広く対応し専門用語も大半は正確に翻訳する。
ただし細かなニュアンスの違いが出ることもあるので、重要な文書は最終確認が必要。

文脈をしっかりくみ取った丁寧で正確な翻訳が特徴。
微妙なニュアンスも補完し、誤訳や抜け漏れが少なく、英語をはじめ多言語間でも安定した品質で、差別的な表現を避ける配慮もされている。

世界中の言語に対応していて、200以上の言語ペアで高い精度を保つ。
最新モデルならではの自然な翻訳で専門用語やスラングも文脈に合わせて訳せ、様々な言語間でも違和感のない翻訳ができる。

コストと精度を横断チェック

次に、各モデルのAPI利用料金適した用途・主なベンチマーク精度などを比較します。特に代表的な学習ベンチマークであるMMLU(学術知識テスト)とSWE-Bench(ソフトウェア工学タスク)における精度も併記しています。

LLM横断比較表

GPT-4.1 (OpenAI)

Claude 3.7 Sonnet(Anthropic)

Gemini 2.5  Pro(Google)

API利用料金
(2025年5月時点)

従量課金制

入力: $2/100万トークン
出力: $8/100万トークン

大規模展開ほど割安感が高い価格設定。

従量課金制

入力: $3/100万トークン
出力: $15/100万トークン

思考モードの推論トークンも出力として課金。

従量課金制

入力: $1.25/100万トークン
出力: $10/100万トークン

※最大コンテキスト(>200Kトークン)を利用時は
入力: $2.50
出力: $15/100万トークン
に増額

適した用途
(得意分野)

文章生成や会話ボットなど幅広い用途に高い水準で対応。創造的な文章作成や汎用的なチャット対話では最有力。
コード生成・データ要約も一通り得意で、オールラウンドに安定した性能を示す。

※最新知識が必要なタスク(2024年後半以降の話題など)は不得意。

コード生成やデータ要約で顕著な強み。特にプログラミングでは実務レベルの長いコード処理やツール操作まで可能な点で優れる。

文章生成や対話も高品質で、安全性の高さからビジネスシーンでの利用にも適する。

高度な推論が求められるタスク全般(複雑な分析・高度な意思決定)で最先端。

翻訳や多言語対応も含め、知識を応用する場面に強い。

コードも文章も高精度に扱える万能型で、特にマルチモーダル入力を要するケース(画像解析+説明など)で唯一の選択肢となる。

主なベンチマーク精度
(MMLU / SWE-Bench)

MMLU: 80.1%

SWE-Bench: 54.6%

総合的に既存モデル中トップレベルの評価。

MMLU: 80.3%

SWE-Bench: 62.3%

特にコード分野で卓越したスコアを記録。

MMLU: 79.6%

SWE-Bench: 63.8%

他に数学・科学分野テストでも最高水準の成績を収めている。

各用途に最適なモデルまとめ

各用途について、上記比較から最もおすすめのLLMを挙げると次の通りです。

  • 文章生成: GPT-4.1
    • 創造的な文章作成やブログ記事作成などでは最も安定した高品質アウトプット。 高い言語能力と豊富な訓練データにより、自然で読みやすい文章を生成します。
  • コード生成: Claude 3.7 Sonnet
    • プログラミング支援には Claude 3.7 Sonnet が最適です。
    • 拡張思考モードで難しいバグも論理的に解決し、実務レベルのコードを自動生成できます。
  • 画像生成: (該当モデルなし)
    • 残念ながらどのモデルも画像そのものの生成は不可能です。
    • 代替策として、GPT-4.1やClaude 3.7 Sonnet でプロンプト文を作成し、専用の画像生成AIに渡す方法があります。マルチモーダル対応のGemini 2.5 Pro は画像内容の理解はできますが、生成は行えません。
  • 会話ボット: GPT-4.1
    • 対話AIとして最もバランスが良く、人間らしい応答を返します。
    • 大規模文脈で長時間の会話も可能で、既に多くのチャットボットに組み込まれて実績十分です。
  • データ要約: Claude 3.7 Sonnet
    • 長文要約やレポート分析にはClaudeが適しています。
    • 膨大なテキストから本質を抽出し、わかりやすく整理された要約を生成できます。特に機密文書の社内要約など、安全性重視の用途にもマッチします。
  • 翻訳: Gemini 2.5 Pro
    • 多言語対応力が群を抜いており、高精度な翻訳が期待できます。
    • 英語以外の言語にも強いため、グローバルな翻訳タスクでは最有力候補です。

まとめ

生成 AI は、いまや「一部のエンジニアだけの専門ツール」ではなく だれでも使える実用レベル に到達しました。
今回ご紹介した GPT-4.1・Claude 3.7 Sonnet・Gemini 2.5 Pro は、それぞれに個性がありつつも共通して “APIで即座に自社ワークフローへ組み込める拡張性” こそが最大の魅力です。

  • 文章を書く時間が半分以下 ── 下書きを AI に任せ、仕上げを人間が微調整
  • バグ修正や調査が数分で完了 ── エラー内容をコピーして聞くだけ
  • 100ページの資料もワンクリックで要点抽出 ── 読む前に大枠を把握できる
  • 多言語の壁をほぼゼロ化 ── 海外とのメールや資料づくりがスムーズ

こうした “時短+品質向上” 効果は、小さな PoC(試し導入)でもすぐ体感できます。
まずは1つのタスクを AI に委ね、得意・不得意を把握しながらぜひ “小さな実験” を始めてみてください。

株式会社Biz Freakでは、新規事業に特化した独自のアジャイル開発「バクソク」で、アイデア段階の構想から MVP→PMF までを ONE TEAM で高速伴走します。
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