【速報】Claude 4 が公開!Code with Claude まとめ
米国時間2025年5月22日、Anthropic 社は開発者向けカンファレンス「Code with Claude」において、同社最新の大規模言語モデルである Claude Opus 4 と Claude Sonnet 4 をリリースしました。他にも Claude Code の正式版リリースや Anthropic API の新機能追加など、コーディング分野とAIエージェント開発について重要なアップデートが発表されました。
目次
- Claude 4 の特徴
- Claude Opus 4
- Claude Sonnet 4
- Claude Code の正式版リリース
- コードベースの理解
- IDE 連携
- SDK の提供
- Anthropic API の機能追加
- Code execution tool
- Files API
- MCP connector
- Prompt caching の拡張
- まとめ
1. Claude 4 の特徴

Claude 4 は「"瞬時応答"モード」 と 「"拡張思考 (Extended Thinking)" モード」を切り替えながら応答するハイブリッドモデルです。タスクの複雑性に応じて適切な処理方式を選択します。拡張思考モードでは、Web search など複数のツールを並列で使用しながら推論を進めることができます。
Claude 4 のファミリーとして、以下の2つのモデルがリリースされています。
1.1 Claude Opus 4
Claude Opus 4 は Anthropic 社が「世界最高のコーディングモデル」と位置づけるフラッグシップモデルです。
ソフトウェアエンジニアリング評価指標の SWE-bench で 72.5%、Terminal-bench で 43.2% のスコアを記録し、他社のモデルを追い抜いています。また、複雑なオープンソースリファクタリングプロジェクトを7時間連続で実行できると同社は説明しています。
このモデルは 200,000 トークンのコンテキストウィンドウを備え、最大32,000トークンの出力に対応します。この容量は約15万語または500ページ相当の文書処理が可能で、大規模なコードベースの処理と長文生成を実現しています。コンテキストウィンドウについては、Gemini 2.5 Pro の 1,000,000 トークンや GPT-4.1の最大 1,000,000 トークンに及びませんが、実用的な開発作業には十分な容量を提供しています。
Claude Opus 4のメモリ機能では「メモリファイル」の作成と維持が可能で、長期間のタスク実行における一貫性を向上させています。同社は実例として、Opus 4 がポケモンをプレイしながら攻略のための「ナビゲーションガイド」を作成したケースを挙げています。
料金は、100万トークンあたり$15/$75(入力/出力) で、Pro、Max、Team、Enterprise プランのユーザーが利用できます。

1.2 Claude Sonnet 4
Claude Sonnet 4 は前世代の Sonnet 3.7 から改良されたモデルで、SWE-bench で 72.7% のスコアを達成しています。これは前世代の 62.3% から大幅な向上を示しており、コーディング分野での顕著な進歩を表しています。200,000トークンのコンテキストウィンドウを持ちつつ、効率性を重視した設計となっています。
このモデルは本番環境での高頻度利用に最適化されており、日常的な開発タスクから複雑なエージェントワークフローまでカバーします。GitHub は Claude Sonnet 4 を GitHub Copilot の新しいコーディングエージェントのベースモデルとして採用すると発表しています。
料金は、100万トークンあたり$3/$15(入力/出力) です。無料ユーザーも利用可能です。
2. Claude Code の正式版リリース
Claude Code はターミナル内で動作するエージェント型コーディング支援ツールです。
2025年3月の発表時点ではベータ版でしたが、今回の発表でついに正式版がリリースされました。
本章ではいくつかの重要な特徴について言及します。

コードベースの理解
Claude Code は大規模なオープンソースプロジェクトから小規模な個人リポジトリまで、コードベース全体を検索し理解する機能を備えています。開発者が手動でコンテキストファイルを選択する必要がなく、Claude が必要に応じてコードベースを探索します。
IDE 連携
VSCode (Cursor と Windsurf を含む) や JetBrains といった IDE に Claude Code を拡張機能としてインストールできます。この拡張機能により、Claudeの編集提案がエディタ上に直接表示され、より快適にコーディングできるようになります。
SDK の提供
SDK によって Claude Code と同じコアエージェント技術を、自身のアプリケーションに組み込めるようになりました。
特に GitHub Actions 連携が話題を呼んでいます。例えば、プルリクエスト時に @claude
とメンションすることで、Reviewr からのフィードバック対応、CIエラーの修正、コード改修を自動化することができます。
3. Anthropic API の機能追加
Anthropic API には4つの新機能が追加され、開発者がより高度で実用的なAIエージェントを構築できるようになりました。
Code execution tool
Code execution tool は、Claude がサンドボックス化された安全な環境で Python コードを直接実行できる機能です。従来は「コードを提案する」だけでしたが、この機能により「コードを実行して結果を出力する」ことが可能になりました。
実用的な活用例には、財務モデリング(財務予測の生成、投資ポートフォリオの分析、複雑な財務指標の計算)、科学計算(シミュレーションの実行、実験データの処理、研究データセットの分析)、ビジネスインテリジェンス(自動レポートの作成、売上データの分析、パフォーマンスダッシュボードの生成)、統計分析(回帰分析、仮説検定、データセットでの予測モデリング)が含まれます。
料金体系は、Organization あたり1日50時間まで無料で、追加使用時は1コンテナあたり1時間0.05ドルとなっています。
Files API
Files API は、開発者がリクエストごとにファイルを再アップロードする必要性を排除します。一度アップロードしたドキュメントを複数の会話セッションで繰り返し参照でき、大規模なドキュメントセット、技術文書、データセットを扱うアプリケーションで特に有効です。
この機能は Code execution tool と統合されており、Claude がアップロードされたファイルに直接アクセスして処理し、チャートやグラフなどの結果をレスポンスの一部として生成できます。開発者は Files API を通じてデータセットを一度アップロードすれば、複数のセッションにわたって Claude に分析させることが可能になります。
対応ファイル形式は、画像(全Claude 3+モデル)、PDF(全Claude 3.5+モデル)、その他各種ファイル形式(Claude 3.5 Haiku 以上の全Claude 3.7+モデルの Code execution tool 用)となっており、ファイルサイズは最大32MB、Organization 単位での合計ストレージ制限は100GBです。
MCP Connector
MCP Connector は、開発者がクライアントコードを記述することなく、Claude を任意のリモートMCPサーバーに接続できる機能です。すべての接続管理、利用可能なツールの検出、エラーハンドリングを自動処理します。
実際の活用例として、プロジェクト管理AIエージェントが MCP Connector で Asana と連携してタスクの参照や作業の割り当てを行い、Files APIで関連レポートをアップロード、 Code execution tool で進捗とリスクを分析し、拡張プロンプトキャッシュでコンテキストを維持しながらコストを削減する、といったシナリオが可能になります。
Prompt caching の拡張
Prompt caching 機能に、標準的な5分間のTTL(Time To Live)に加えて、追加コストを伴うオプションとして最大1時間の拡張キャッシュが追加されました。この Prompt caching の拡張により、コンテキスト維持が面倒で、それゆえにコストが膨らんでいた長時間稼働のエージェントを、効率的に大規模運用できるようになります。コストについては最大90%、レスポンス速度については最大85%改善できるとされています。
まとめ
昨日の Google I/O 2025 の発表に続いて、Anthropic からも大型のアップデートが展開されました。Google や OpenAI と比較して、Anthropic は開発者向けのエコシステムの整備に重点を置き始めた印象を受けます。
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